UA-205467818-1
研究内容

研究内容

不妊治療と妊娠合併症の関連性

不妊治療において妊娠した女性は妊娠合併症や児の異常の発症頻度が高いといった報告が散見されます。しかし、その原因が不妊原因など不妊症患者にあるのか、それとも治療内容に原因があるのか不明な点が多く残されています。そこで本研究室では不妊治療施設の俵IVFクリニックとの共同研究により患者データおよび治療内容を解析することにより、不妊治療患者と妊娠合併症の関係を明らかにすることを目的としています。

          

新しい男性不妊症診断法の開発

不妊原因の半数は男性側にあると考えられています。男性不妊症は精液量、精子濃度、精子運動率など主に精液検査の結果により診断されます。一方でこのような既存の精液検査以外に男性不妊症を評価する方法がないことから、我々の研究室では新しい男性不妊症の診断法を開発することを目指しています。

現在、私たちの研究チームは最先端の機械学習技術YOLOv8を活用し、精液中の精子を高精度に検出・分析することに成功しました。この画像解析技術により、精子形態の客観的かつ定量的な評価が可能となりました。さらに特筆すべきは、受精能力と密接に関連する精子頭部のバンド構造を新たに同定したことです。従来の形態評価基準と、この新規に発見した微細構造を組み合わせ、One-Class SVMによる先進的機械学習アプローチを適用することで、体外受精の成功率を70%以上の精度で予測することを実現しました。このブレークスルーは、不妊治療の分野において画期的な進展をもたらすものであり、近い将来、臨床現場への実装を目指して製品化を進めてまいります。

       

新生児呼吸モニタリングシステムの開発

私たちは、最先端技術を駆使した革新的な新生児呼吸モニタリングシステムの開発に取り組んでおり、一呼吸ごとの微細な時間変動を高精度に分析することで呼吸の変動性を定量化し、新生児の発達成熟度を科学的に評価する新たな指標を確立すると同時に、呼吸リズムの詳細評価や静睡眠と動睡眠の周期性分析機能を搭載することで新生児の生理的状態を多角的かつ包括的に把握し、現行の「症状出現後の対応型医療」から潜在的リスクを早期に発見し予防する「先制型医療」へのパラダイムシフトを実現し、小さな命の大きな可能性を守る新時代の医療を目指しています。

        

共同研究

男性不妊症の原因遺伝子の特徴づけ

ー 静岡大学 農学部 与語圭一郎准教授ー

静岡大学 農学部 与語圭一郎准教授の研究プロジェクトに参加し、男性不妊症の原因遺伝子の候補であるSLC22A14遺伝子の特徴づけを行っています。

https://www.agr.shizuoka.ac.jp/abc/yogo/index.html

          

羊水塞栓症の原因遺伝子の同定と特徴づけ

ー 浜松医科大学 産婦人科ー

浜松医科大学 産婦人科が実施する日本産婦人科医会血清事業(羊水塞栓症研究班)において我々の講座は 羊水塞栓症の原因遺伝子の同定と特徴づけに関し共同研究を行っています。

http://www2.hama-med.ac.jp/w1b/obgy/afe3/afe2016.html

      

新生児の新規呼吸評価方法の開発

ー 浜松医科大学 周産母子センターー

浜松医科大学 周産母子センターとの共同研究により新生児の新規呼吸評価方法の開発に関する共同研究を行っております。得られた成果は新生児呼吸モニタリングシステムとして製品化され、NICUや一般新生児病棟での早期導入を目指しています。

  

過去の共同研究

非侵襲体動センサによる呼吸データ解析のためのアルゴリズム開発

-住友理工株式会社-

なバイタルサインですが、生理的な呼吸パターンの変化を定量的に評価する方法は存在しません。それゆえ本研究では簡便に呼吸パターンを評価するアルゴリズムを開発し、さらにその成果を臨床応用していくことを目的としています。

https://www.sumitomoriko.co.jp/ri200/themes/srk/pdf/product/health_sec01-05.pdf