2023年1月
肥満女性が補助生殖療法を受けると、妊娠と出産に関する合併症のリスクが最も高くなる。不妊治療の前に体重減少介入を行うことは合理的であり、その有効性とコストについての調査が必要。
Maternal age at menarche and reproductive health in young adult men: a cohort study.
初潮が遅い母親の息子は、精子の濃度が低く、精巣が小さく、生殖ホルモンのレベルが変化していることが示された。一方、初潮が早い母親の息子との関連は弱い。不妊治療において母親の生殖健康が重要な要因であることを示唆し、初潮時期に関する情報を考慮に入れた治療戦略の開発に役立つ可能性があるしかし、詳細なメカニズムは不明。
癌の既往歴のある女性は、通常、ART後の胚移植実施率が低く、臨床妊娠と生児出生の可能性も低い。癌治療後の妊娠希望を持つ患者に対する適切なアドバイスと支援の必要性を強調し、不妊治療のプランニングにおいて重要な情報となる。しかし、研究には幅広い異なる要因が影響しており、より詳細な研究が必要。
卵巣卵胞の数はアポトーシスとオートファジーの両方によって調整され、アポトーシスは時間の経過による減少に関与、オートファジーは特に思春期前の減少に関与。子供や思春期前の女性における卵胞数調整に関連する新たな知見であり、不妊症の理解に寄与する可能性がある。
Urinary phenol concentrations and fecundability and early pregnancy loss.
尿中の特定のフェノール化合物が受胎能力や早期妊娠喪失と関連していることを示唆。
The effect of the menstrual cycle on the circulating microRNA pool in human plasma: a pilot study.
この研究から、月経周期におけるホルモンの変動が細胞外の微小RNA (cf-miRNA)レベルに影響を及ぼす可能性があることが示唆。不妊治療において、女性の生理学的な変化を理解し、それに合わせた治療戦略を開発するために、cf-miRNAの研究が役立つ可能性がある。
【ポイント】
cf-miRNAは血液などの体液に存在するmiRNAで、細胞から分泌されたり、細胞が死んで放出されたもの。遺伝子発現の調節や発生、細胞分化、細胞死における役割そして疾患との関連性。cf-miRNAに関しては、その安定性と非侵襲的にサンプルを取得できる点が臨床診断における大きな利点。病気の早期発見や病態のモニタリングに使用することが期待される。
Day3の分割期で染色体異常ありと評価された胚をDay5の胚盤胞期に再度ICM、TE、Blastocoel cavity (Bc)、Peripheral cells (PCs)それぞれの細胞群で染色体の倍数性評価。その結果、ICMで57%、TEで48%、PCで21%、Bcで10%が正常倍数性と評価された。つまり、分割期胚の染色体異常は胚発生過程でICMより特にBlastocoel cavity (Bc)やPeripheral cells (PCs)で蓄積しやすい。